クレームとは戦うな
電話口での突然の叱責。
客先で浴びせられる言葉の数々。
人間社会において、クレームが発生することは避けられません。
そうやっていろいろな場面で登場するクレームは、対応する人にとってはかなり気の重い話です。しかも、あやまった対応をしてしまうと二次災害、三次災害へと芋づる式に拡大しかねない、地雷になることもしばしばです。
戦ってはいけない
迅速に解決する方法は極めて簡単です。
クレームに内容から要望を聞き、そのまま受け入れるだけで良いのです。その中で一番大変なのは、クレーム内容をしっかりと聞くことです。
怒り心頭で顔をあからめながら、怒鳴り散らす顧客を前にして出来ることなどなにもありません。
たとえどんなに理不尽で整合性がない話が飛び出してきたとしても、そこで話を区切るような真似はさけましょう。
そうやって一通りの心を吐き出しきったところからが、あなたのターンです。それまではグッと耐え、相手のクレームのことごとくを凌ぎます。
お客様の要求は何ですか?
顧客の声、とりわけ「不満」や「怒り」には必ず原因があり、その原因を取り除ける手段をお店側が有していると思うからこそ挙がります。ですから、多くの声には正当性があり、お店にとっても顧客にとってもより良い店舗環境、サービスを生み出すためのヒントが隠されています。
最初から最後までしっかりと聞き届けることで、「何に対して不満なのか」「どのような改善策を望んでいるのか」「どんな事例が起きたのか」「ほかにどんな危険性をはらんでいるのか」などなど、多くの事が学べます。
顧客のクレーム内容があきらかに勘違いであった、というような場合も勘違いをしてしまった原因があります。問題点がどこにあったのかを明確にして、より良い結果につなげる努力をしましょう。
どうにもならないこともある
どう考えてもどうにもなりそうもない時は、一も二もなく専門家に頼りましょう。
例えば事故、事件、暴力沙汰など明らかに事件性があり、暴力的な脅迫を受けるなどの状況であれば真っ先に警察に連絡しましょう。そうした相手に気を使って余計な時間を取られるだけ無駄です。
とくに、大声で怒鳴りながら壁やテーブルを叩く行為などは脅迫と取られかねません。胸倉をつかまれるなどの行為は言語道断です。そうした行為が見られた時点で、そうそうに落ち着いてもらうためにも第三者として応援を頼むべきです。
戦うべき相手は自分
クレームに対して戦うべき相手、それはともすれば理不尽ともいえる「お怒り」をしっかりと受け止められるように、自分を律さなければならないことです。
たとえどんなに意に反した見解を投げかけられても、一旦は飲めるだけの度量が絶対に必要です。そこで相手を逆なでしたところで解決は遠のき、誤解がさらに深まるだけだからです。
お言葉にあなた側の不手際があれば必ず謝罪しつつ話を伺い、不手際がないのであればしっかりと聞いて「顧客としての意見」を聞き入れてください。
最終的にどのような判断を下すにせよ、次に生かせる対応を心がけるだけでクレームはかつてない輝きをあなたの仕事に与えてくれるようになるでしょう。