仮想通貨入門2-本物の仮想通貨とは？-

by GOSH · 公開済み 2019-05-28 · 更新済み 2020-04-08

It’s a Scam.

詐欺です

仮想通貨といえば詐欺！　詐欺といえば仮想通貨といっても言い過ぎではない。まちがいなく詐欺まみれ詐欺の王こそが仮想通貨といって憚（はば）らないのはわたしgoshこと五所川原です。

記念すべき第二回は、のっけから飛ばしております。

仮想通貨のビの字も知らない皆々様であれば、あったればこそ、そのように極めて純粋なお気持ちになられている事だと思います。心中お察しさせていただいて余りあります。ええ。

ニュースや友人知人から耳にしたり目にしたりする仮想通貨の情報といえば、まさしく詐欺！詐欺！詐欺！！！のオンパレード。この世（クラスタ）は地獄かはたまた翻（ひるがえ）って天国かと見まがうほどに魑魅魍魎（ちみもうりょう）たちが跋扈（ばっこ）している世界です。

※クラスタ――群れとか集団とか。一定のジャンルに集った人たちのこと。

仮想通貨は詐欺である

騙されるあなたがいけないんですよ。ふふふ。この世は弱肉強食。

仮想通貨だと聞けばまず詐欺を疑える下地はお持ちでしょうか？
お金や価値を意味するとても希少な可能性があるために、そのぐらいは疑ってかかるべき慎重さは必要です。

たとえばよく耳にする「これから儲かる仮想通貨」とか「この仮想通貨を買っておけば間違いない」とかってありますよね？あんなものは全て詐欺です。「取引所が発行しているから」だとか「非中央集権で管理されないから」だとか「世界のハブとなりうる通貨だから」とか「ゲームのプラットフォームだから」とか「証券の世界を変える！」なんてのはなんの理由にも根拠にもならんのです。

詐欺ではない仮想通貨はあるの？

そんなものはありません。

どれもこれも既存の価値観から真っ正直にみれば、思いっきり詐欺です。価値など微塵もありません。もしもあなたに仮想通貨の話を持ってきた人がいたとしたら、基本的にすべて論破するつもりで話を聞くべきです。

ちなみに、「フィアット（銀行券）こそが価値を仮想で発行したものだから、日本銀行券って仮想通貨だよね？」なんて理由で仮想通貨を詐欺と断じているわけではありません。暗号通貨、ひいては暗号資産すべては詐欺だと申し上げています。

どのあたりが詐欺なのか

日本銀行券などの国家で管理運営される法定通貨は、文字通りその国に属するすべての人にとって共有されている価値基準です。もしも誰かが「俺、日本円とか紙屑だと思ってるから」などと口走っていたら、早急に全日本銀行券を所有する権利を奪い取りましょう。
出会えたあなたはとてもラッキーです。

これに対して「俺、仮想通貨とか電子ゴミだと思ってるから」と口走ったところでどうでしょうか？

「あ、うん。そだねー」

という答えを返す人ばかりではありませんか？これほど多くの人が価値を見いだせない存在を、さも価値があるかのように吹聴するなど、詐欺ではないとはだれも言えません。

訴訟され続ける詐欺コインたち

仮想通貨に関する被害届は年々増加の一途をたどっており、詐欺の温床としてより根深い闇を形成し続けています。集団訴訟のプラットフォームとして知られるenjinでは、そうした案件が多数みられ、今でも多くの被害者が怒りの声を挙げ続けています。

訴訟一覧|集団訴訟プラットフォーム enjin

お分かりですか？　こんなにも多くの問題を抱えてなお、さらに闇を広げ続けているのが仮想通貨なんです。多くの人々が安直な言葉や思想やイメージに騙されて、結果としてこれほどまでに被害を増やしているのです。

こんなにも多くの悲しみを産むような存在が、詐欺でなくて何だというのでしょうか？

それでも仮想通貨を信じる人々

現実は非情です。
どうしようもない毎日から抜け出したくて、都合の良い未来を描きたい理想主義者の道具として仮想通貨が利用されている事実が挙げられます。

あなたが今の自分、社会、国家、そして経済状況に不満があるとするならば、そうした理想主義者の甘い誘惑にのせられてしまう可能性があります。そうした理想主義者たちが掲げる甘い誘惑とはどのようなものがあるのでしょうか？

経済の未来を変える？

既存の貨幣社会を根底から覆す存在で、これからは仮想通貨が価値の基準として流通していくんだ。
今は銀行券でしか対応していない所でも、ゆくゆくは対応せざるを得なくなるさ。
なにせ世界を変える存在だからね！

などと瞳をきらめかせながら語るポエマーが現れたとしたら、わたしたちはどうすればいいでしょうか？某痴漢の対処法よろしく股間を蹴り上げて中指を天に突き上げながら口汚く怨嗟を吐き出すよりも効果的な質問があります。

それじゃ、もう働かなくてもいいの？

仮想通貨は私たちの生活に劇的な変化など与えてくれません。仕組みが少々変化したところで、明日のランチが豪華になるわけではないのです。もっと現実を直視してもらいましょう。

正当な評価がまだ得られていないだけ

この仮想通貨にはこれだけのプロジェクトが！　人が！！　お金がかけられているから今の評価が過小評価だ！！
もっと評価されてしかるべきなんだから君も手に入れてそのすばらしさを知るべきなんだよ！

「黙れ」

と言いたくなる気持ちも分からなくもありませんが、そこはグッとこらえてこのように返答しましょう。

丁度のどが渇いたから、その仮想通貨で買ってきて

いますぐ使えもしない物など詐欺以外の何物でもありません。まさに無用の電子物。Uvereatsばりに目の前まで持ってくるレベルの革新ならまだしも、絵に描いた餅などお話にもなりません。

こんなに値上がりしているんだよ！？

いいかい？　2016年の中頃まではたった3万円ほどだったんだ。だけど今いくらだと思う！？
なんと100万円だよひゃく！まん！えん！！
この調子じゃ10年後いくらになってるか……

「そいつあー剛毅デスネー」という乾いた笑顔を返しながらで構いません。現実として高騰したんでしょう。すばらしい。
しかし、こう言ってきた方にはもっとも根本的な部分が抜け落ちています。それは、

でも、明日には下がっていることもあるんでしょ？　場合によっては3万円に。

仮想通貨は価格変動がすばらしく大きいので、絶対にこれ以上は下がらないという保障など何一つない金融商品としてみられています。だいたい、損をする可能性があるというだけで十分に詐欺が成り立ちます。

でもさ、この仮想通貨は発行上限が制限されていて、これ以上増やすことができないし、無くなってしまうことしかないんだ。
つまり希少性は上がり続け、それに比例して価格もいずれは上がるようにできているのさ。

おっと、どうやらこの人はそこそこ内容を理解したうえで勧めていたようですね。しかし、その程度では仮想通貨が詐欺であることの反証とはいえません。この論理には決定的に抜け落ちている概念が残されているからです。

でも、替わりになれる仮想通貨は何千種類もあるんでしょ？
無くなっちゃったら不便すぎて誰も欲しがらなくならないの？

コインの数が限られているということは、失われればそれだけ希少価値が上がり、さらにほしい人が奪い合うだけ希少価値がどんどん高まります。それは確かです。
しかし、なまじ制限があるだけにその配分限界を迎えた場合、通貨としての機能は失われ、たんなる希少品としてしか機能しなくなるのです。

希少品を求めるのは最終的にはコレクターだけとなり、通貨として広く使いやすく開発された別の物になる可能性のほうが高い、といえるのです。つまり仮想通貨はスキャムです。

価値とはなにか？　仮想通貨は何を与えてくれるのか？

そもそも、詐欺だなんだと仮想通貨を断じるまえに、わたしたちは大きな勘違いをしています。
それは、仮想通貨は儲けるための道具ではない、という事です。

仮想通貨とは価値の共有化を図るための道具です。あなたとその周りにいる誰かが、お互いの納得の上で行う取引に使える道具でしかないのです。

単純に価値を決めてしまうとするならば、1zny（ゼニー）はわたしが持っている脱穀前のお米一俵と同じ価値として扱おう！と宣言し、誰かが1znyを用意してそれと交換する。そういう取り決めをするためだけの物なんです。

法定通貨などに左右されてしまうから妙な誤解がうまれるのでしょう。

仮想通貨は、あなたと誰かの取引を円滑に証明してくれるだけの物なんです。あなたが価値を決めて誰かと取引する、それだけのために存在しているんです。

仮想通貨で、

儲けようと思ったら、

もう詐欺師の術中です

と、いったところで今回はお開きです。次回をお楽しみに。

仮想通貨入門2-本物の仮想通貨とは？-