仮想通貨(暗号資産)マイニングって何?【超基本編】
仮想通貨・暗号通貨・暗号資産(ややこしい)のマイニングについて今から、いやむしろ今だからこそ勉強してやってみたい方向けの記事です。
マイニングとは
マイニングとは、受け取った取引情報をブロックという形でまとめ、ブロックチェーンの末尾に追加する作業のことである。
ビットコイン – Wikipedia より引用
って話では何一つ分からないので、もうちょっと簡単かつ詳しく説明します。
マイニングの仕組み
世間一般でいわれている【マイニング】というのは、ビットコインなどの暗号通貨で行われている取引の検証作業のことなんです。
「その取引、おいらが確認してやるよ!」
ってしゃしゃり出て、もっともはやく確認した人に報酬が与えられるっていう素敵な競争付きです。
必要なのは電力と計算力だけなので、やろうと思えば人力でも参加できます(できません)。
それが何の役にたっているのかというと、ビットコインなどの暗号通貨取引そのものを支えているっていう仕組みなんですな。
マイニングでできること
マイニングによって得られることはいくつかあります。中でも一番の注目株は「コイン」を報酬としてもらえます。
あなたのマシンが無事に承認一番乗りを果たせば、報酬としてコインが与えられるわけです。
後忘れてはいけないのが、コイン開発の方向性について意思を表明できます。
たとえば、「あたらしく発行枚数を増やす」とか、「マイニング方法を変更する」だとか、「トランスアクションサイズが…、SegWitが……、コンセンサスアルゴリズムが……」などなど、様々な新しい試みがコイン開発の現場では行われています。
それらの新しい試みを支持するのか、はたまた不支持とするのかについては、どの開発方針をマイニングするのかで決まります。
ようは選挙投票で支持する人や政策に投票するのと同じですね。
すごく大切な権利なので、理解したうえでのマイニングをしましょうね!
分からなかったら気兼ねなく聞いてください。
用意するもの
んで、実際にやってみようと思うと以下の物品が必要になります。
些細な物から「!?」なものまでありますが、なあにすぐに慣れます。なんてことはありません。
・パソコン
マイニングするコインによってはどこにでもある普通のパソコンでもできます。眠っているちょい型落ちのパソコンでも採算さえ気にしなければ結構掘れます。
この先盛り上がってウハウハになることを夢見て採掘するというのも良いでしょう。
もしくは興味本位や技術的好奇心を満たすために手をだすには、パソコン一つで採掘できるのなら儲けものです。なかにはRaspberryPiのような小型PCをソーラー充電で維持コストなしマイニングをしている素敵な紳士もいらっしゃいますので奥の深さは千変万化の世界です。
ストレージ(SSD/HDD)の性能で採掘するコインもあります。
・グラフィックボード
すこし良い設備を必要とするコインは、グラフィックボードでマイニングすることが一般的です。というか、一般人でマイニングに参加できるのは、おそらくこのレベルが限界です。
あなたが例えば最新のグラフィックボードを搭載している敏腕ゲーマーや、売れっ子デザイナー、はたまた秀逸な開発環境をもつエンジニアであればそういう設備を持っていてもおかしくはないでしょう。試してみるのは面白い判断です。
でも、会社のパソコンで勝手にマイニングはしちゃダメです。
・ASIC
エーシックと読みます。レーシックではありません。私は目が悪いので散々悩みましたが未だに施術してもらおうという気にはなっていません(聞いてない)。
マイニングに最適化された専用の計算機です。デカイ・オモイ・ウルサイ・アツイ・デンキダイと5拍子そろったツワモノです。
ただし電気代に対しての計算力はパソコンやグラフィックボードとは大違いで、その差はすでに100万倍以上の開きがあります。そのためビットコインのマイニングは最新型で優秀なASICをいかに早く手に入れられるかが結構な勝負ポイントだったりします。
ちなみにヤフオクなどで検索すると散々ASICSのシューズを勧められまくったのは良い思い出です。
・マイナー
ASICなどの専用機器には、あらかじめコントロール用のOSも含めて用意されていることがほとんどなんですが、自分のパソコンやグラフィックボードでマイニングしようと思うと「マイナー」と呼ばれるプログラムを別途用意しなければなりません。
しかしながらこのマイナーさん。
ダウンロードしようとするとウイルスアラートで弾かれます。
これはBOTNETなどの不正なウイルス(アクセス)があなたのパソコンで勝手にマイニングすることを防ぐための措置なので、あなた自身の意思でダウンロードし使用するのであれば気にせず「例外処理プログラム」としてアンチウイルスソフトに適用させてあげれば問題ありません。
むしろ、WEB閲覧中に勝手にダウンロードされるファイルを許可する方がどうかしているので、そのあたりのリテラシーには気をつけましょう。
あっさりハッキングされますよ?
・家族の理解
マイニングは電気代を食います。
ましてやASICなんて使おうものなら暖房要らずレベルで発熱し、かつ爆音でファンがうなります。
家族の理解は十分に得てから採掘しましょう。
コンセンサスアルゴリズム?
マイニングを行うにあたって必ず確認しなければならないもの……それがコンセンサスアルゴリズム(合意のための方法)です。
このアルゴリズムがマイニングそのものとは違った方法で承認されている場合、当然ながら今説明しているマイニングとはまったくちがった方法で、コインを発行しています。
ようはマイニングできないコインがあるんです。
PoW,PoS,PoI,PoC,DPoS……
主なコンセンサスアルゴリズムは以下です。
どれがどんな発行方法なのか、またマイニングの可否についても表にしてみました。
CA | 概要 | 主なコイン | マイニング |
PoW | proof of workの略 計算力によって承認する | ビットコイン、モナコイン、 ライトコイン、ETH、 ビットゼニー、エンテン、コト ベルコインなど | 〇 |
PoS | proof of stakeの略 コインの所有数で承認する | ダッシュ、ネオ、クオンタム、 OKキャッシュ、クマコイン、 ビーンキャッシュなど | × |
PoI | proof of importanceの略 重要度によって承認 | NEM(XEM) | × |
PoC | proof of consensusの略 決められた承認者が存在 | リップル(XRP) | × |
PoC | proof of capacityの略 記憶容量によって承認する | バーストコイン | 〇 |
DPoS | delegated proof of stakeの略 選挙承認制(承認者に偏りあり | ビットシェアズ、リスク、イオス | × |
なかには、一定の期間はPoWでマイニングが行われ、その後PoSに移行するためマイニングが終わってしまっているコインもあります。(ETHがまさにその転換期を控えてますね)
また、PoW&PoS型と呼ばれる同時進行コインもあるので、コインの仕様についてはしっかりと確認しましょう。
ハッシュアルゴリズム??
基本的にマイニングを行うコンセンサスアルゴリズムを使用しているのはPoWのコインです。
しかし、PoWコインの中に、さらに暗号化アルゴリズムに違いがありまして、それをハッシュアルゴリズムだとかハッシュ関数だとかと申します。
PoWマイニングによってコインを流通させるためのパワーを生み出すにも、実はルールが細かく決められていて、そのルールのことをハッシュアルゴリズムと呼んでいると思ってください。
このルールによってパソコンだけでマイニングするのか、グラフィックボードが最適なのか、ASICの軍拡戦争に参戦するのかが決まるわけです。
おもなハッシュアルゴリズム
ビットコインをはじめとしたPoW型コインのハッシュアルゴリズムについて、大まかではありますが表にしています。どのコイン(アルゴ)がどの方法(ハッシュアルゴリズム)で採掘されているのかについて記載しています。
なお、一つのコインの中に複数のHA(=ハッシュアルゴリズム)を採用しているコインもあります。その場合は、仕様上のどのアルゴリズムでも採掘できるようになっています。
採掘効率を調べる
詳細については割愛しますが、以下のサービスでHAや利益率などを簡易に計算できます。
Cryptocurrency Mining vs. Bitcoin Mining Profitability | CoinWarz
プールマイニングとソロマイニング
マイニングには、一人でブロック一番乗りを目指すソロマイニングと、大勢で山分けするプールマイニングがあります。
プールマイニングと聞くといわゆるアレを想像するかもしれませんが、そっちのプールではなくて「蓄える」を意味するほうのプールです。
具体的にどんな方法なのかと申しますと……
ソロマイニング
自分のマシンでブロック承認作業ネットワークに挑む、極めてギャンブル的な採掘方法です。
難易度の高い(競合が多い)コインだと、報酬が貰える確率はもはや宝くじレベルになることもあります。
逆に難易度が低く、参入へのしきいが低いコインであれば、報酬を獲得できることはそれほど珍しいことではありません。
プールマイニング
あなたのマシンの能力に応じた額のコインを安定してもらえる採掘方法です。
能力(ハッシュレート)から計算できる期待値でほぼ安定してコインが獲得できますが、接続先のプールの規模やサーバーの安定性に左右されることがあります。
一般的にはいくつかのプールを掛け持ちしつつ利用します。
・マルチプールについて
一つのコインに絞るのではなく、HAに関係なく報酬をビットコインなどの任意のコインで獲得できるプールサービスのこと。
scryptであろうがSHA-256であろうが、報酬をBitZenyで受け取ることもできますよ、という仕組み。
さらに、プール側で作業させているHAのコインの中で、その時もっとも高値を付けているコインを自動的にマイニングしてくれます。
対応していないHAやコインもあるので要確認。
まとめ
➡マイニングとは、ハッシュでコインのネットワーク基盤を作って、その報酬をもらう作業のこと
➡マイニングには計算力が必要
➡ハッシュアルゴリズムを確認しよう
➡マイニング方法は二種類(ソロorプール)
さあ、ここまで読んでいただけたあなたは立派なクリプトコイナーになれました。マチガイナイ。
暗号通貨の根幹、深淵にはまだまだ底がありますが、基本的な部分を学べましたね!
更なる沼をめざしてソフトウェア方面に走るのか、はたまた経済圏をより面白くするためのハードを生み出していくのか、軍拡競争の果てを求めるのかはあなた次第です。